バッティングの基礎ができてきたところで、より力強く、遠くに飛ばすために必要な体の使い方、特に捻転の考え方をしっかり低学年のうちから習得してくことが非常に大事になっていきます。
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シーソースイング
初心者を指導するときにまずは回転で打ちます、と言う話をしましたが、この打ち方はボールにどうやって当てるかと言うことが課題になっています。
そこからどんどん発展していったときに体重をしっかり使わないと力強いスイングができないと言うふうになっていきます。
このシーソースイングは体重移動をしっかりマスターするための練習ドリルとなっています。
やや厚めの90センチ位の木の板に鉄のパイプを取り付けてやります。
右足に一回体重を乗せてから左足に移す練習です。
スイングをするときにしっかり踏み込んでいくというのが大事になります。
そしてもう一つポイントがあります。
それは太ももの内側内転筋と呼ばれるところしっかり使わないと、シーソーはうまくいきません。
体重を外側にかけて行こうとするとシーソーはなかなかうまく動いてくれない。
体重移動がうまくできない子は後ろにバタンと残ってしまったまま打ちに行ってしまう。
スイングがしっかりできるようになったらこの状態のままトスバッティングをしてください。
スイングからバッティングまで発展していければ力強いボールを飛ばす練習になります。
子供のうちと言うのはなかなか体重も軽いですから、力強いバッティングをすると言うのはなかなか難しいのですが、子供のうちに正しい体重移動をマスターし、バランスのとれたスイングを身に付けることが重要です。
セレクトライン
選球眼を鍛えるドリルこういうのはなかなかないんですけれども、
硬式のテニスボールの中に塩ビ管の短いものを通して、これをさらに下の中に通して片方をネットの支柱などに固定。
片方をクラブに直接紐をつけているこれをぴんと張って、ピッチャーが投げる。
キャッチャー役の選手がいてボールを投げるとグラブに紐がついているので必ずキャッチャーの構えたところに行きます。
それをバッターが見極めてストライクかボールかを見極める練習になります。
これをなぜやるかと言うと、小学生のうちにストライクゾーンがわかったと言うふうに答えた大学生の選手がたくさんいましたが、一方でストライクゾーンがよくわからずにいると言う選手もいると言うことがわかりました。
その選手は小学生の時にやはり、何でもかんでもボール球を振ってしまうと言う選手だったそうです。
この練習は角度によってはサイドハンドのピッチャーの練習、または左ピッチャーのボールストライクの見極めの練習にもなります。
ボールと言うのは基本的には、点で捉えるのではなく線で捉えていくというのが重要になっていきます。
それを感覚的なものですが具体的なもので身に付けていくための練習にもなります。
L字バースイング
ホームセンターで売っているようなL字の50センチ位のバー、これを2つ用意して後足と前足に置ききます。
後ろ足は投球方向に対して直角に前足を少し開いた状態でセットします。
ちょうどハの字のような状態で足が置かれていると思います。
これで体重移動をしながらスイングをしていくことになります。
非常に重要なドリルになります。
腰の回転を伴うときには足の内側内転筋をしっかり使ってスイングするというのが重要になります。
両方の股を挟んでいくようにスイングしていくことが大事です。
このスイングができることで腰が急激に回っていくことで力強いスイングをすることができます。
ただ、これができる子はなかなか少ないです。
何故かと言うと内転筋と言うのは普段の生活でなかなか使うことのない筋肉ですから。
この普段使わない内転筋をしっかり使うために傾斜のかかった状態でスイングをするというのが大事になります。
強い回転力を生み出すために必要な内転筋の強化ができる練習ドリルです。
小学生の家から腿の内側内転筋をしっかり使えるようになる事は非常に重要なになります。
砂集め
砂を足で集めると言う事は腿の内側内転筋をよく使うトレーニングになります。
ここが強化されるとバットを打つときのエンジンが強化されます。
特に腰が回らない子や左足が開いてしまう子、これらの癖がある選手は内転筋がうまく使えていない証拠です。
あまり飛ばないように砂を集めていくというのがポイントです、
野球選手は投げるにも打つにも腰の回転が非常に重要になっていきます。
ネットスイング
ネットスイングと言うのは通常バット1本分位のところに立ってスイングをしていく。
これによってインサイドアウトのスイングを覚えるときに大振りになってしまう選手などには非常に有効な練習になります。
このドリルはやり方を間違えるとスイングはドアスイングになり、前の肩がすぐ開いていくようなスイングになってしまい、
ファールになるようなスイングになってしまいます。
ネットに当てまい、当てまいとしようとすると、スイング自体が外側外側に向いてしまうような形になってしまいます。
これではこのドリルの意味はなくなってしまうわけです。
ネットを背にして振ることで開きぎみの人はバットがネットに当たるはずです。
当たらないように振り、前方へのスイング軌道を大きくすることで、体が開かずドアスイングにもならない理想なスイングが身に付きます。
前を向いて行うスイング、後ろを向いて行うスイングを両方やることで、正しいスイング軌道、インサイドアウトのスイング軌道が身に付くようになります。
タイヤスイング
下半身のドリルの中で後ろ足の回転を重視したドリルです。
タイヤの上に前足を乗せたままスイングすると言うことです。
しっかり足が上がった状態で体重を移動させてしっかり移動ができれば後足のかかとが上がるはずです。
うまく体重が前に乗らないと後足の回転がしっかりできなくなります。
同様に後ろ足に高さのあるものを置いてスイングする練習です。
前足の股関節にしっかり体重が乗っていくことを学ぶ練習です。
股関節をしっかり使いながら体重を乗せていくことが大事です。
体のねじれをしっかり使うことになる練習になります。
インサイドアウトリング
ホームセンターなどに売ってる直径語録センチのリングをゴムに付けてあります。
これを使ってインサイドアウトの起動を身に付けることができる練習ドリルです。
補助する人は後ろの方からバットのラインと同じような力が加わるように構えていきます。
これをやる選手はグリップから出していきます。
ゴムの抵抗を感じながら出していきます。
これができるようになるとインサイドアウトのスイングが身に付くようになります。
スイングの中ではインサイドアウトは非常に高度なテクニックであり、身に付くようになります。
ただ気をつけて欲しいのは、補助をする人がしっかりバットの出る方向にいないと逆効果になってきます。
ハンマースイング
市販のゴミ袋中にサッカーボールを入れて、重みを感じたボールを長いハンマーのようにぐるぐる回して回した後に投げると言う練習です。
これはどういう練習かと言うと、回していくうちに上半身と下半身のねじれ捻転の差ができてきます。
この捻転の動作と言うのはバッティングを力強い身に付けるために非常に重要な動作になります。
捻転差ができないと腰とバットが一緒に出てしまうようなことがあり、力強いスイングができないと言うことがあります。
小学生を見ているとこの捻転差を使ってスイングすることができないと言う子たちが非常に多く、こういう子たちが高校野球・大学野球と進んでいくと、この捻転差があまり生まれないままスイングをしてしまうと言うことが多く見られます。
特にそのようなバッターは左肩がすぐに開いてしまう、三遊間の方にしか打球がいかない、体幹が1枚の板のようにしか回せないと言う選手になってしまいます。
この捻転差はパワーの源にもなりますし、変化球が来たときに我慢をするといったところにもつながっていきます。
まっすぐ飛ばせるようになったら、より捻転差を意識して回転させていきます。
腰は回っていくけれども上半身は残るそういった形が作りやすくなっていきます。
慣れてきたらより遠くに飛ばすことを意識してみて下さい。
股割りスイング
四股を踏んだりするときのような低い姿勢、この姿勢からスイングしていく時、1番大事にしてほしいのは股関節をしっかり使うことです。
股関節を使って右と左を入れ替えていくと、より低い姿勢の方が地面からもらう力が強くなっていきます。
やってはいけないやり方としては、体重移動がしっかりできていない後ろ足のかかとが上がらないようなやり方。
大きく足を開いた状態でも股関節を意識して後ろから前への体重移動をきっちり行います。
股関節の高さを維持したままスイングすることが理想です。
またフィニッシュの形で両腕をしっかり上げることができればokです。
タオルスイング
ご家庭ご自宅でもできるトレーニング。
タオルの片方の結び目をしっかり作ります。
これをバッティングの起点になる方を持ってスイングをしていきます。
肩にタオルを乗せて振って行きます。
いちど肩に担ぐように持っていってからすぐに振る。
ティッシュバッティング
その名の通りティッシュをバットで打つ練習です。
1枚のティッシュをぐるぐる丸めてそれだけだと少し柔らかすぎるので少しのりをつけます。
これを使ってバッティング練習をします。
ティッシュボールを使った練習のいいところは芯で捉えないとティッシュボールは遠くには飛んでいかないところです。
トランクローテーション
これも自宅でできるトレーニングです。
トランクローテーションと言うのは体感を回転させると言う意味ですが、体幹の上の部分、胸郭がしっかり動くかが重要になってきます。
例えば捻転を作ると言う時に、下の体幹は回っていくのですが、胸郭は残った状態を作らなければ捻転差ができない。
この動きができるようになることがバッティングにとって非常に重要なことになります。
この捻転差を作っていくことが非常に難しい、
何故かと言うと現代の生活の中で捻転差を作っていく事はほとんどないわけです。
1つ目
まずは四つん這いになりますその後右腕を頭の後ろに持っていきます。
その後頭をなるべく動かさないようにして右腕を開いて行きます。
この動きを連続でやっていきます。
頭と体感を固定した状態で肩を大きく動かします。
この動きが非常に固い人が多いです。
できればこの状態が真上に向く位までいけると非常に良いです。
肘が真上に行くことを目標にしてください。
これができてくると下半身にできた力を上半身に強く持っていくことができます。
格段にパワーが変わっていきます。
2つ目
仰向けになり膝を曲げながらなるべく形をつけたまま左右に振って行きます。
肩を地面につけたまま左右に足を振って行きます。
上半身を動かさずに下半身を動かしていく、これも捻転差を作るためのトレーニングです。
この2つを組み合わせることでより捻転差を作ることができるトレーニングになります。
まとめ
小学生の集中力が持続する時間は、低学年では5分から10分程度・高学年になっても10分から20分の間位が小学生の集中力の持続時間です。
つまり同じ時間を継続して行うよりかは、いろいろなドリルを時間を短く切ってやる方が効果が高いというのがわかっています。
ドリルを複数用意して短時間で練習内容を切り替えていくと練習効果がどんどん高まっていきます。
小学生のうちにぜひやっておきたいこととしては目と体の協調力をしっかりと高めていく必要があります。