2025年3月25日、かつての大投手・米田哲也さん(87歳)が、兵庫県尼崎市のスーパーで缶チューハイ2本を万引きしたとして現行犯逮捕されました。
このニュースは全国に衝撃を与え、「あの鉄腕がなぜ……」という戸惑いの声が相次ぎました。オールドファンはさぞかし驚いたことでしょう。米田氏は警察の調べに対して容疑を認めているとのことです。
米田哲也とは何者か?
米田哲也さんは1938年生まれ。1956年に阪急ブレーブスに入団後、22年間のプロ生活で949試合に登板、通算350勝という大記録を残しました。626先発はNPB史上最多記録を誇ります。
「ガソリンタンク」の異名を持つそのタフネスは、今も語り継がれています。この異名は疲れを知らない体力だけでなく、酒豪だったことからも付けられたとも言われています。2000年には野球殿堂入りし、その後もコーチ・解説者・経営者など幅広く活動していましたが、高齢となった近年は表舞台に姿を見せなくなっていました。
事件の概要と動機の背景
逮捕されたのは2025年3月25日午前10時40分ごろ。スーパーで約303円相当の缶チューハイ2本を衣服に隠し、レジを通らず外へ出ようとした際、店員に呼び止められたとのことです。
米田さんはその場で容疑を認め、「盗んだことに間違いない」と語ったとされています。
元スターでも避けられない"老後の現実"
高齢化社会が進むなか、高齢者による軽犯罪、とりわけ万引きが年々増加していることが問題視されています。
- 孤立による精神的ストレス
- 年金だけでは足りない生活費
- 認知機能の低下
米田さんの場合も、これらが複雑に絡み合った結果だった可能性があります。現役時代から女性関係が派手だったとも言われ、元女優の妻とは離婚したという情報もあります。かつては高級住宅街に住んでいたのに、近年は集合住宅での生活に変わっていたとのことです。
米田さんの現在の収入は?
かつての最高年俸は1300万円(1971年)でしたが、独自のプロ野球年金制度は2011年に廃止されています。
現在は国民年金と厚生年金をあわせて、月額9万6千円〜11万6千円程度と推測されます。加えて、スナック経営や解説業の収入もあったものの、87歳という高齢では継続は困難だったと考えられます。関係者によれば、苦しい生活を送っていたのは間違いないようです。
私たちは何を学ぶべきか?
- 高齢者支援の仕組みの見直し
- 認知症に対する社会的理解の向上
- 元スターの"老後"とどう向き合うか
今回の事件を通して、私たちは「過去の栄光」と「今の現実」のギャップに向き合う必要があります。米田さん自身も設立に関わった名球会では、今回の事件を受けて資格剥奪などの議論に発展する可能性も指摘されています。
昭和の記憶に刻まれた"鉄腕"が、静かに支援を必要としていたかもしれない——。その声に、私たちはどう応えるべきなのでしょうか。