ヨーロッパ旅行を計画している方の中には、普段使い慣れているアメリカン・エキスプレス(アメックス)カードを持っていく予定の方も多いでしょう。プレステージ性が高く、様々な特典やサービスが充実しているアメックスは、日本国内ではステータスの高いカードとして人気がありますが、海外、特にヨーロッパではどうでしょうか?
実は、ヨーロッパではアメックスが使えない場面に遭遇しても、焦らず代替手段を活用しましょう。これからヨーロッパ旅行を計画している方は、この記事で紹介した情報を参考に、万全の準備で素晴らしい旅行体験をお楽しみください。
この記事では、ヨーロッパにおけるアメックスの対応状況と、カードが使えない状況に直面した際の対策方法について詳しく解説します。旅行前の準備から現地での対応まで、アメックス保有者が知っておくべき情報をお届けします。
Contents
- 1 アメックスのヨーロッパにおける受け入れ状況
- 2 国別のアメックス対応状況
- 3 アメックスが使える主な場所
- 4 アメックスが使えない傾向がある場所
- 5 アメックスが使えない理由
- 6 ヨーロッパ旅行前の準備:アメックスが使えない状況への対策
- 7 複数のカードを持参する
- 8 現金を用意する
- 9 デジタルウォレットの活用
- 10 旅行前のアメックス特典の確認
- 11 アメックス加盟店の事前調査
- 12 現地でアメックスが使えない場合の対処法
- 13 ヨーロッパの国別・アメックス活用術
- 14 イギリス
- 15 フランス
- 16 イタリア
- 17 ドイツ
- 18 北欧諸国
- 19 スペイン・ポルトガル
- 20 アメックスの海外特典を最大限に活用する方法
- 21 まとめ:アメックスとヨーロッパ旅行の賢い付き合い方
アメックスのヨーロッパにおける受け入れ状況
アメックスは世界的に有名なクレジットカードブランドですが、ヨーロッパではVISAやMastercardと比較すると加盟店の数が少ないのが現状です。国や地域によって状況は異なりますが、一般的な傾向をご紹介します。
国別のアメックス対応状況
🇬🇧 イギリス
ロンドンを中心とした大都市では比較的アメックスの受け入れ率は高いです。特に高級ホテル、デパート、大手チェーン店ではほぼ問題なく使用できます。しかし、地方の小さな町や個人経営の店舗ではアメックスを受け付けていないケースが増えます。
🇫🇷 フランス
パリの観光地やショッピングエリアの大型店舗ではアメックスが使えることが多いですが、小さなカフェやレストラン、特にパリ以外の地方都市では受け付けていない店舗が多くなります。
🇮🇹 イタリア
ローマ、ミラノ、フィレンツェなどの観光地のホテルや大きなレストランでは使えますが、地元の小さな店舗やトラットリアでは使えないことが多いです。特に現金文化が根強い南部ではさらに使える場所が限られます。
🇩🇪 ドイツ
ドイツは全体的にキャッシュレス化が進んでいない国で、アメックスの受け入れ率はさらに低くなります。ベルリンやミュンヘンなどの大都市の高級店や観光客向けの施設では使えることもありますが、一般的な店舗では使えないケースが多いです。
🇳🇴 北欧諸国
スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドなどの北欧諸国は、キャッシュレス化が進んでおり、比較的アメックスが使える場所は多いですが、それでもVISAやMastercardと比べると受け入れ率は低めです。
🇪🇸 スペイン、ポルトガル
バルセロナやマドリッド、リスボンなどの観光地では高級店を中心に使える場所もありますが、地方や小さな店舗では使えないことが多いです。
アメックスが使える主な場所
ヨーロッパでもアメックスが比較的使いやすい場所としては、以下のような施設が挙げられます:
アメックスが使えない傾向がある場所
反対に、アメックスが使えないことが多い場所には次のようなところがあります:
アメックスが使えない理由
なぜヨーロッパではアメックスが使えない店舗が多いのでしょうか?その主な理由は以下の通りです。
アメックスが使えない最大の理由は、加盟店手数料の高さです。VISAやMastercardの加盟店手数料が約1〜3%であるのに対し、アメックスは3〜4%程度と高めに設定されています。利益率の低い小規模店舗にとって、この差は大きな負担となります。
一部の国では、アメックスの決済処理がVISAやMastercardと比較して複雑であったり、入金までの時間がかかったりする場合があります。キャッシュフローを重視する小規模事業者にとって、これも採用を躊躇する理由となっています。
ヨーロッパでは地域によって、長い間現金文化が根付いてきた背景があります。特にドイツやイタリアなどでは、比較的最近までクレジットカード自体の普及率が低く、カード決済のインフラ整備も遅れていました。そのような環境下では、後発のアメックスよりもVISAやMastercardが先に浸透していました。
ヨーロッパは全体的に中小企業や個人経営の店舗が多い傾向にあります。これらの店舗は利益率が低く、コスト意識が高いため、手数料の高いアメックスを導入しないケースが多いのです。
ヨーロッパ旅行前の準備:アメックスが使えない状況への対策
アメックスが使えない場面に遭遇しても困らないよう、事前に以下の準備をしておくことをおすすめします。
複数のカードを持参する
最も重要な対策は、VISAかMastercardのクレジットカードを必ず1枚以上持参することです。理想的には、アメックスを含めて異なるブランドのカードを2〜3枚持っていくことで、万が一の場合にも対応できます。
特に、VISAとMastercardはヨーロッパでの受け入れ率が圧倒的に高いため、どちらか(できれば両方)を持っていくことで安心です。デビットカードも選択肢として検討してみましょう。
現金を用意する
ヨーロッパでは、特に地方都市や小さな店舗では現金しか受け付けていない場所も少なくありません。日本円をユーロや英ポンドなどに両替しておくか、現地のATMで引き出せるよう準備しておきましょう。
ただし、高額の現金を持ち歩くことはセキュリティ上のリスクがあるため、必要最低限の金額にとどめ、残りはホテルのセーフティボックスなどに保管するのが安全です。
デジタルウォレットの活用
Apple PayやGoogle Payなどのデジタルウォレットにカード情報を登録しておくと便利です。特に、VISAやMastercardを登録しておけば、非接触決済に対応している店舗では簡単に支払いができます。
一部の国では独自のモバイル決済サービスも発達しているため、長期滞在する場合は現地のサービスにも登録することを検討してみましょう。
旅行前のアメックス特典の確認
アメックスを最大限活用するために、旅行前に以下の特典やサービスを確認しておきましょう:
アメックスのプラチナカードやゴールドカードなどの上位カードでは、コンシェルジュサービスも利用できるため、現地でのレストラン予約などに活用できます。
アメックス加盟店の事前調査
訪問予定の都市や地域で、アメックスが使える主要な店舗や施設を事前に調べておくと安心です。アメックスの公式サイトやアプリでは、加盟店検索機能を提供しています。特に、滞在予定のホテルやよく利用する予定のレストランなどを中心に確認しておくとよいでしょう。
現地でアメックスが使えない場合の対処法
実際に現地でアメックスが使えないことが判明した場合の対処法を紹介します。
前述の通り、VISAやMastercardのカードを持参していれば、ほとんどの場合は問題なく支払いができます。アメックスが使えないと告げられたら、すぐに別のカードを提示しましょう。
カード決済自体を受け付けていない店舗や、システムトラブルでカード決済ができない場合は、現金での支払いを行います。ヨーロッパ旅行では、少なくとも1日分の出費をカバーできる現金を常に持ち歩くことをおすすめします。
現金が足りなくなった場合は、近くのATMを探しましょう。アメックスカードでもATMからの現金引き出しは可能なケースが多いですが、手数料が高くなる可能性があるため、デビットカードの利用が推奨されます。
Google MapsやMaps.meなどの地図アプリを使えば、近くのATMを簡単に探すことができます。
万が一、カードを紛失・盗難された場合や、緊急時には、アメックスの24時間サポートサービスに連絡しましょう。特に海外専用のサポート番号を事前に控えておくと安心です。以下のようなサービスを提供しています:
Apple PayやGoogle Payなどのモバイル決済サービスは、カード自体を持っていなくても支払いができる便利なツールです。アメックスカードを登録していて使えない場合でも、VISAやMastercardを登録していれば利用できます。
高額な支払いの場合、店舗によっては一部をアメックス、残りを他のカードや現金で支払うことを認めてくれる場合もあります。特にホテルのチェックアウト時など、大きな金額の支払いの際には交渉の余地があるかもしれません。
ヨーロッパの国別・アメックス活用術
各国の特性に合わせた、アメックスの効果的な活用方法を紹介します。
イギリス
ロンドンではアメックスの受け入れ率が比較的高いため、高級ショッピングやダイニングでポイント還元率の高いアメックスを積極的に使うことができます。特にハロッズやセルフリッジズなどの高級デパートでは、アメックスの特典が適用される場合もあります。
ただし、地方都市や小さな町に行く予定がある場合は、VISAとMastercard、そして現金も必ず用意しておきましょう。
フランス
パリではショッピングエリアを中心にアメックスが使える場所が多いですが、モンマルトルやマレ地区などの観光地の小さなレストランやカフェでは使えないことが多いです。
パリでは特に、ギャラリー・ラファイエットやプランタンなどの大型デパートでアメックスを使うと、免税手続きの際にスムーズなサービスを受けられることがあります。
イタリア
イタリアは現金文化が根強い国です。ローマ、ミラノ、フィレンツェなどの主要観光都市でも、小さなトラットリアやジェラート店では現金のみが基本です。
アメックスは高級ブランドショップやホテル、観光客向けの大きなレストランでの利用に限定し、日常的な支出には現金かVISA/Mastercardを使う心構えが必要です。
ドイツ
ドイツは特にカード事情が厳しい国です。ベルリンやミュンヘンでさえ、「現金のみ」の店舗が珍しくありません。アメックスはホテルや高級レストラン、デパートでの利用に限られます。
ドイツ旅行では、他の国よりも多めに現金を用意しておくことをおすすめします。特に小さなレストランやパン屋、市場などでは現金が必須です。
北欧諸国
スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドなどの北欧諸国は、キャッシュレス社会が進んでいます。これらの国々では比較的アメックスも受け入れられていますが、それでもVISA/Mastercardの方が利用できる場所は多いです。
特に、公共交通機関の券売機や小さなカフェではアメックスが使えないケースが多いため、代替手段を用意しておきましょう。
スペイン・ポルトガル
南ヨーロッパでは、観光地と地方の差が顕著です。バルセロナやマドリッド、リスボンの中心部では比較的アメックスが使える場所は多いですが、地方の小さな町や、観光地であってもローカルの小さなタパスバーやレストランでは使えないことが大半です。
特にポルトガルでは、アメックスの受け入れ率はさらに低くなるため、VISAやMastercardと現金を中心に準備しておくとよいでしょう。
アメックスの海外特典を最大限に活用する方法
アメックスが使えない場面もありますが、このカードならではの海外特典も数多くあります。それらを最大限に活用して、ヨーロッパ旅行をさらに充実させましょう。
多くのアメックスプレミアムカードでは、プライオリティパスの会員資格が付帯しています。これにより、ヨーロッパ各国の主要空港のラウンジを利用できるため、長い移動の合間のリフレッシュに役立ちます。
アメックスのファインホテル&リゾートプログラムに参加しているホテルでは、アーリーチェックイン/レイトチェックアウト、客室アップグレード、朝食無料などの特典が受けられる場合があります。旅行前にアメックスの公式サイトで対象ホテルを確認しておきましょう。
アメックスで購入した商品は、一定期間内の破損や盗難に対する保護が受けられることが多いです。特に高額なショッピングをする際には、この保護を活用できるようアメックスでの支払いを検討してみましょう。
多くのアメックスカードには、海外旅行保険が自動付帯しています。カードによって補償内容は異なりますが、医療費やキャンセル費用、手荷物の紛失など、様々なリスクに対する補償があります。
プラチナカードなどの上位カードでは、24時間対応のコンシェルジュサービスが利用できます。レストラン予約やチケット手配、急なスケジュール変更など、様々なリクエストに対応してくれるため、特に言語の壁がある海外旅行では心強い味方となります。
まとめ:アメックスとヨーロッパ旅行の賢い付き合い方
ヨーロッパ旅行におけるアメックスの使用には、確かに制限があります。しかし、事前の準備と知識があれば、アメックスの特典を最大限に活用しながら、利用できない場面でも困ることなく旅行を楽しむことができます。
旅行前には必ずVISAやMastercardのバックアップカードを用意し、ある程度の現金も持参することで、支払い手段の選択肢を広げておきましょう。また、各国の事情を理解し、アメックスが使える場所と使えない場所を把握しておくことも重要です。
アメックスは空港やホテル、高級店舗での利用に重点を置き、日常的な小さな支出には他の支払い方法を活用するという使い分けが、ヨーロッパ旅行を快適にする鍵となります。
事前準備を十分に行い、それぞれの支払い方法の特性を理解すれば、ヨーロッパ旅行でもアメックスカードの持つプレミアム特典を存分に活用しながら、スムーズな旅を楽しむことができるでしょう。特に旅行保険やコンシェルジュサービスなどのアメックス独自の特典は、旅行中のトラブル解決に大いに役立ちます。
アメックスが使えない場面に遭遇しても、焦らず代替手段を活用しましょう。これからヨーロッパ旅行を計画している方は、この記事で紹介した情報を参考に、万全の準備で素晴らしい旅行体験をお楽しみください。