アメックスカード

アメリカン・エキスプレスカード 利用限度額5万円の実態と増額への道のり

アメリカン・エキスプレス(通称アメックス)のカードは、ステータスの象徴として知られていますが、実は利用限度額が5万円という方も少なくありません。「世界で通用するステータスカード」というイメージとは裏腹に、なぜ限度額が低く設定されるケースがあるのか、そしてどうすれば限度額を増やせるのかについて詳しく解説します。

アメックスカードは通常、「ショッピング枠」と呼ばれる利用限度額がありません。これは「無制限」という意味ではなく、利用状況や支払い能力に応じて変動する「非公開制限枠」が設けられています。しかし、審査の結果によっては非常に低い限度額が設定されることもあり、その一例が「5万円」という金額です。

アメックスの限度額5万円が設定される人の特徴

まず、アメックスの限度額5万円が設定される人の特徴について見ていきましょう。アメックスの審査では、申込者の収入や信用情報、他社カードの利用状況などが総合的に評価されます。限度額5万円が設定されるケースとしては、以下のような要因が考えられます。

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年収が低い場合、アメックスの基準から見て信用力が十分でないと判断されることがあります。アメックスは高額な年収を持つ顧客をターゲットにしているため、年収300万円未満の場合は低い限度額になりやすい傾向があります。特にアメックスグリーンカードでは、公式に年収300万円以上を推奨していますが、実際にはそれ以下でも審査に通ることはあります。ただし、その場合は限度額が抑えられることが多いです。

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クレジットヒストリーが浅い人も限度額が低く設定されがちです。クレジットカードの利用歴がない、あるいは短い場合、信用情報が十分に蓄積されていないため、カード会社としては慎重になります。初めてのクレジットカードとしてアメックスを選んだ場合や、クレジットカードの利用歴が1年未満の場合は、限度額5万円という低い設定になることがあります。

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また、過去に返済の遅延や滞納があると、信用情報機関に「ブラックリスト」として記録されることはなくても、「注意を要する利用者」と見なされる可能性があります。他社カードでの支払い遅延や、携帯電話料金、公共料金の支払い遅延なども信用情報として記録されることがあります。これらの記録は通常5年程度保持され、この期間中は限度額が抑えられる傾向にあります。

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学生や専業主婦、フリーランスなど、安定した収入源が証明しにくい職業の場合も、限度額が低く設定されることがあります。特に学生の場合は、アルバイト収入などが年収として認められても、将来の返済能力に不安があると判断されるため、限度額は控えめに設定されることが多いです。

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さらに、他社カードの利用状況も審査に影響します。複数のクレジットカードを持っていて、それぞれの利用限度額が高い場合、「借入可能額が多すぎる」と判断され、新規カードの限度額が抑えられることがあります。これは「総量規制」と呼ばれる貸金業法の規制とは直接関係ありませんが、カード会社の自主的な判断として行われることがあります。

アメックスの限度額を増額する方法

それでは、アメックスの限度額が5万円に設定された場合、どのように増額させることができるのでしょうか。限度額増額の方法としては、いくつかのアプローチがあります。

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カードの利用実績を積み重ねる

毎月コンスタントにカードを使い、必ず期日通りに支払いを行うことで、信頼関係を構築できます。特に限度額いっぱいまで使わずに、適度な利用額を維持することがポイントです。限度額5万円の場合、毎月2〜3万円程度の利用が理想的と言えるでしょう。3〜6ヶ月程度の利用実績があれば、増額の可能性が高まります。

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公式の増額申請を行う

アメックスでは、会員専用サイト「アメリカン・エキスプレス・オンライン・サービス」から増額申請を行うことができます。また、カスタマーサービスに電話して直接申請することも可能です。申請時には、現在の年収や他社カードの限度額などを聞かれるので、正確に答えることが大切です。増額申請は通常、3〜6ヶ月に1回程度の頻度で行うのが適切とされています。あまりに頻繁に申請すると、かえって印象が悪くなる可能性があります。

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収入情報の更新

年収が増えた場合は、積極的に収入情報の更新を行いましょう。昇進や転職で年収が上がった場合、その情報をアメックスに伝えることで、限度額の見直しが行われる可能性があります。特に年収が大幅に増加した場合は、増額審査が通りやすくなります。

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他社カードの整理

複数のクレジットカードを持っている場合、あまり使っていないカードを解約することで、「借入可能額」の総量を減らし、アメックスの限度額増額につながることがあります。特に年会費がかかるカードで、ほとんど使用していないものがあれば、解約を検討してみましょう。

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上位カードへの切り替え

アメックスの上位カードへの切り替えも効果的な戦略です。アメックスのカードラインナップには、通常のカード(グリーンカード)のほか、ゴールドカード、プラチナカード、ブラックカードなどの上位カードがあります。上位カードは年会費は高くなりますが、通常は限度額も高く設定されます。例えば、グリーンカードからゴールドカードにアップグレードすることで、限度額が大幅に増額されるケースもあります。

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一時的な増額申請

特に「一時的な増額」の申請も忘れてはなりません。大きな買い物や旅行などで一時的に限度額を超える利用が必要な場合、「ペイ・オーバー(Pay Over)」と呼ばれるサービスを利用できます。これは通常の限度額を超えて一時的に利用できるサービスで、カスタマーサービスに電話して申請します。ただし、この一時的な増額は永続的なものではないため、恒久的な限度額アップには別途申請が必要です。

なお、限度額増額の審査においては、断られるケースもあります。その場合は、審査に通らなかった理由を尋ねることも大切です。アメックスのカスタマーサービスでは、具体的な理由を教えてくれることはありませんが、「もう少し利用実績を積んでください」などの一般的なアドバイスは受けられるかもしれません。断られた場合は、3〜6ヶ月程度の間隔を空けて再申請するのが望ましいでしょう。

アメックスカードの限度額が5万円という低い設定になる背景には、カード会社の慎重な審査基準があります。しかし、それは必ずしも永続的なものではなく、適切な利用と戦略的なアプローチによって増額は十分に可能です。

アメックスカードの限度額の実態

実際のところ、アメックスカードの平均的な限度額はいくらなのでしょうか。アメックスは公式に限度額を公表していませんが、一般的にはグリーンカードで30万円〜100万円、ゴールドカードで100万円〜300万円程度と言われています。もちろん、これは個人の信用状況によって大きく異なります。

支払い方式の特徴

アメックスカードの特徴として、実は「リボ払い」ではなく「一括払い」が基本となっています。つまり、毎月の利用額は翌月に全額支払うことが原則です。この点が、他社カードとは大きく異なります。アメックスは基本的に「チャージカード」として設計されており、長期的な分割払いを前提としていません。このような支払い方式も、限度額が慎重に設定される理由の一つと言えるでしょう。

国際ブランドとしての特徴

また、アメックスカードは国際ブランドとしての立ち位置も独特です。VISAやMasterCardが「決済ネットワーク」を提供するブランドであるのに対し、アメックスは自社でカード発行から決済処理まで一貫して行う「クローズドループ」方式を採用しています。このシステムにより、利用者の支払い行動をより詳細に把握することが可能となり、それが限度額の柔軟な調整にもつながっています。

アメックスカードを効果的に活用するヒント

最後に、アメックスカードの限度額を効果的に管理するためのヒントをいくつか紹介します。

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アプリで利用状況を確認

アメックスの公式アプリを活用することで、リアルタイムの利用状況を確認することができます。限度額の低いカードを使う場合は特に、こまめにチェックして利用額を把握しておくことが重要です。

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ポイントプログラムの活用

アメックスのポイントプログラム「メンバーシップ・リワード」を活用することで、限度額の低さをある程度カバーすることも可能です。効率的にポイントを貯めて、旅行や商品と交換することで、カードの価値を最大化できます。

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付帯保険やサービスの活用

アメックスの付帯保険やサービスも積極的に活用しましょう。ショッピング保険やトラベル保険など、限度額とは別に提供される特典は、カードの価値を高めるものです。これらのサービスを使いこなすことで、限度額が低くても十分にカードの恩恵を受けることができます。

アメックスカードの限度額5万円という設定は、決して珍しいことではありません。特に新規カード会員や信用実績の浅い方にとっては、最初のステップとして考えるべきでしょう。適切な利用と計画的な増額申請により、徐々に限度額を増やしていくことが可能です。アメックスとの信頼関係を構築し、自分のライフスタイルに合った限度額を目指していきましょう。

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