アメックスカード

アメックス法人カードの審査突破ガイド:成功のポイントと回避すべき落とし穴

ビジネスを展開する上で、法人カードは経費管理や事業拡大に欠かせないツールとなっています。中でもアメリカン・エキスプレス(アメックス)の法人カードは、そのステータスと充実した特典から多くの経営者に選ばれています。しかし、その審査基準は厳格であり、申込者の多くが審査に苦戦しているのが現実です。本記事では、アメックス法人カードの審査を突破するためのポイントと、審査に落ちる主な原因について詳しく解説します。

アメックス法人カードとは

アメックス法人カードは、事業主や企業向けに特化したクレジットカードです。個人カードとは異なり、法人としての信用力や事業の安定性が重視される審査となっています。主なカードには「ビジネス・カード」「ビジネス・ゴールド・カード」「ビジネス・プラチナ・カード」があり、それぞれ異なる特典やステータスを提供しています。

アメックス法人カードの最大の魅力は、ビジネスに特化した各種サービスと充実したポイントプログラムです。経費の管理がしやすく、会計処理の効率化にも貢献します。また、ビジネストラベルに関する特典も豊富で、出張の多い経営者にとって大きなメリットとなります。

アメックス法人カード審査の基本的な流れ

アメックス法人カードの審査は、一般的に以下のような流れで進行します。

1

オンラインまたは書面での申込:必要事項を記入し、必要書類を提出します。

2

書類審査:提出された情報の正確性や整合性を確認します。

3

信用情報の確認:法人および代表者の信用情報をチェックします。

4

事業内容の評価:業種や事業規模、将来性などを総合的に判断します。

5

最終判断:上記の情報を総合的に評価し、審査結果が決定します。

審査期間は通常、申込完了から1〜3週間程度かかりますが、追加書類の提出が必要になるケースもあり、その場合は審査期間が延びることもあります。

アメックス法人カード審査を成功させるコツ

1

安定した事業基盤を証明する

アメックスは、安定した事業基盤を持つ企業を重視します。最低でも2年以上の事業実績があり、安定した売上と利益を示せることが理想的です。新規創業の場合は特に、事業計画の具体性や将来の収益見込みを明確に示すことが大切です。

具体的には、以下の書類が審査で重視されます:

・直近2期分の決算書

・事業計画書(特に新規事業の場合)

・会社案内や事業概要の資料

これらの書類は、単に提出するだけでなく、事業の安定性や成長性が適切に伝わる内容であることが重要です。

2

健全な財務状況を示す

アメックスの審査では、企業の財務健全性が非常に重要です。特に以下の点に注目されます:

適切な自己資本比率:最低でも20%以上あることが望ましいとされています。

安定したキャッシュフロー:定期的な収入があり、支払い能力の高さを示します。

低い負債比率:過剰な借入がないことが評価されます。

財務諸表を提出する際は、これらのポイントが明確に分かるように整理することをお勧めします。また、説明が必要な特殊な財務状況がある場合は、添付資料などで適切に説明することも大切です。

3

代表者の個人信用情報を整える

法人カードであっても、代表者の個人信用情報は重要な審査項目です。以下の点に注意しましょう:

個人の信用情報に問題がないこと:過去の支払い遅延や債務整理などがあると、審査に悪影響を与えます。

他のクレジットカードの利用状況:適切に管理され、延滞なく使用されていることが重要です。

個人としての資産状況:特にオーナー企業の場合、代表者の個人資産も評価対象となることがあります。

代表者が別のアメックスカードを既に所有し、良好な利用履歴がある場合は、その旨を申請時に記載すると有利に働くこともあります。

4

適切な限度額を設定する

希望する限度額が高すぎると、審査に通りにくくなる可能性があります。特に初めての法人カード申請では、控えめな限度額を設定し、利用実績を積み重ねてから増額申請をするのが賢明です。

一般的に、企業の年商の5〜10%程度を目安に限度額を設定すると、審査に通りやすいと言われています。例えば、年商5,000万円の企業であれば、250万円〜500万円程度の限度額が適切かもしれません。

5

申請書類を丁寧に作成する

申請書類の記入漏れや誤りは、審査に悪影響を与える可能性があります。以下の点に注意して書類を作成しましょう:

・すべての必要事項を漏れなく記入する

・情報の整合性を確認する(会社情報と登記簿の内容など)

・読みやすい文字で記入する

・必要書類を過不足なく添付する

オンライン申請の場合も同様に、すべての入力項目を正確に埋め、必要な電子ファイルを適切にアップロードすることが重要です。

6

適切な業種選択と事業説明

一部の業種はアメックスの審査において審査が厳しくなる傾向があります。特に、リスクが高いと判断される業種(ギャンブル関連、アダルト関連など)は注意が必要です。

申請時には、自社の事業内容を具体的かつポジティブに説明することが大切です。社会的意義や将来性、安定性などを適切にアピールできると良いでしょう。また、公式サイトやパンフレットなどがある場合は、それらを添付することで事業の信頼性をアピールすることができます。

7

既存の取引関係をアピールする

すでにアメックスとの取引関係がある場合(個人カードの所有や、他のアメックスサービスの利用など)は、それらを申請時に記載することで有利に働く可能性があります。長期的で良好な取引関係は、信頼性の証明となります。

同様に、大手企業や官公庁との継続的な取引関係がある場合も、それらを具体的に記載すると事業の安定性をアピールできます。

8

会社の公式情報を整備する

審査の過程では、会社のウェブサイトや各種公開情報も確認される場合があります。以下の点を整備しておくと良いでしょう:

・会社のウェブサイトを最新の情報に更新する

・SNSアカウントがある場合は適切に管理する

・企業としてのオンライン上の評判を確認し、必要に応じて対策を取る

特にウェブサイトは、企業の顔とも言える存在です。専門的で信頼性の高いデザインと内容を心がけましょう。

アメックス法人カード審査に落ちる原因と対策

1. 事業実績が浅い

創業間もない企業や、事業実績が1年未満の場合は、審査に通りにくい傾向があります。

対策:

・詳細な事業計画書を提出し、将来の収益見込みを具体的に説明する

・代表者の過去の事業経験や実績をアピールする

・初期段階では個人事業主向けのビジネスカードから始めることも検討する

2. 財務状況が不安定または悪化している

赤字決算が続いている、債務超過の状態、あるいは資金繰りが悪化している場合は、審査に通りにくくなります。

対策:

・財務改善の具体的な計画と取り組みを説明する資料を添付する

・一時的な赤字の場合は、その原因と回復見込みを明確に説明する

・必要に応じて、財務アドバイザーや税理士などの専門家のサポートを受ける

3. 信用情報に問題がある

法人または代表者に信用情報上の問題(支払い遅延、債務整理など)がある場合、審査に悪影響を与えます。

対策:

・事前に信用情報を確認し、問題がある場合は解決してから申請する

・過去に問題があった場合は、その後の改善状況を具体的に説明する

・信用回復までは、保証金型のビジネスカードなど、審査が比較的緩やかな選択肢を検討する

4. 申請内容に不備や矛盾がある

申請書類の記入ミスや提出書類の不足、情報の矛盾などは、審査に悪影響を与えます。

対策:

・申請前に複数人でチェックを行い、記入漏れや誤りがないか確認する

・必要書類のリストを事前に確認し、すべて揃えてから申請する

・情報に一貫性があるか、特に財務情報と申告内容の整合性を確認する

5. 業種や事業内容がリスク高と判断される

前述のように、一部の業種はアメックスの審査において不利になる可能性があります。

対策:

・事業の社会的意義や安全性を具体的に説明する

・業界内での信頼性や実績を示す第三者評価などがあれば添付する

・コンプライアンス体制や法令遵守の取り組みをアピールする

6. 希望限度額が高すぎる

企業規模や財務状況に比べて、希望する限度額が不相応に高い場合、審査に通りにくくなります。

対策:

・企業規模に見合った現実的な限度額を申請する

・必要に応じて、段階的な増額を計画する

・複数のカードを組み合わせて使用することも検討する

7. 過去のアメックスとの取引に問題があった

過去にアメックスのカードやサービスで問題があった場合(支払い遅延や強制解約など)、新たな審査に悪影響を与えます。

対策:

・問題の原因と、それ以降の改善策を具体的に説明する

・可能であれば、過去の債務を完済するなど、信頼回復の努力を示す

・アメックス以外の信用実績を積み、それをアピールする

審査に落ちた場合の対応

1

審査結果の理由を確認する

可能であれば、審査に落ちた理由を確認します。アメックスは詳細な理由を開示しないことが多いですが、一般的な理由を聞ける場合もあります。

2

問題点を改善する

審査に落ちた原因を特定できた場合は、その問題点を改善します。財務状況の改善、信用情報の回復、事業実績の積み重ねなど、時間はかかりますが確実な方法です。

3

再申請のタイミングを見極める

一般的に、6ヶ月〜1年程度経過してから再申請するのが良いとされています。その間に状況が改善していることが重要です。

4

別の法人カードを検討する

一時的な対応として、審査基準がやや緩やかな他の法人カードを検討することもできます。そこで利用実績を積み、信用を構築した上で再度アメックスに挑戦する方法も有効です。

まとめ

アメックス法人カードの審査は確かに厳格ですが、適切な準備と対策を講じることで突破の可能性は高まります。重要なのは、単に申請書類を提出するだけでなく、企業としての信頼性や将来性を具体的にアピールすることです。

審査に通過するためのポイントをまとめると:

・安定した事業基盤と健全な財務状況を示す

・代表者の個人信用情報を適切に管理する

・企業規模に見合った限度額を申請する

・申請書類を丁寧かつ正確に作成する

・事業の特性や強みを適切にアピールする

審査に落ちたとしても、それは企業としての成長過程の一部と捉え、必要な改善を行った上で再挑戦することが大切です。アメックス法人カードの取得は、企業の信用力と成長を示す一つの指標となります。長期的な視点で取り組み、ビジネスの発展とともにステップアップしていきましょう。

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