アメリカン・エキスプレス(アメックス)のカードは、買い物や旅行などの支払いに使うことで「メンバーシップ・リワード(MR)ポイント」が貯まります。このポイントは航空会社のマイルに移行することができ、特典航空券やアップグレードなどに使えるため、多くの方に人気があります。しかし、ポイントをマイルに移行するタイミングや方法によって、その価値は大きく変わってきます。ここでは、アメックスのポイントを無駄なく最大限に活用するコツをご紹介します。
アメックスのポイントシステムを理解しよう
まず、アメックスのポイントシステムについて正しく理解しておくことが重要です。アメックスカードを利用すると、通常100円につき1ポイントのメンバーシップ・リワード・ポイント(MRポイント)が貯まります。カードの種類やキャンペーンによっては、還元率がさらに高くなることもあります。
例えば、アメックスゴールドカードでは通常100円で1ポイント貯まりますが、アメックス特約店での利用では3倍のポイントが付与されることがあります。また、プラチナカードやセンチュリオンカードなど上位カードではさらに高いポイント還元率が設定されていることもあります。
貯まったMRポイントは、航空会社のマイルをはじめ、様々なポイントプログラムに移行できます。代表的な移行先には、ANAマイレージクラブ、JALマイレージバンク、デルタスカイマイルズ、ヒルトン・オナーズ、マリオット・ボンヴォイなどがあります。
マイル移行のタイミングはいつがベスト?
ボーナスキャンペーン時に移行する
アメックスでは定期的にポイント移行のボーナスキャンペーンを実施しています。例えば、「ANAマイルに移行すると通常より20%増量」といったキャンペーンです。このようなキャンペーン時に移行することで、同じポイント数でより多くのマイルを獲得できます。
アメックスのボーナスキャンペーンは年に数回実施される傾向があります。特に、夏季や年末年始、ゴールデンウィーク前後などに実施されることが多いようです。定期的にアメックスの公式サイトやメールマガジンをチェックして、ボーナスキャンペーン情報を見逃さないようにしましょう。
特典航空券の予約が確定してから移行する
マイルに移行したら、基本的には元のMRポイントに戻すことはできません。そのため、実際に特典航空券を予約する予定が確定してから移行するのが賢明です。
例えば、ANA国際線の特典航空券を予約したい場合、まず空席状況を確認し、希望の便に空席があることを確認してから、必要なマイル数だけポイントを移行するのがおすすめです。こうすることで、不要なマイルを抱えるリスクを減らせます。
マイルの有効期限を考慮する
航空会社によって、マイルの有効期限は異なります。例えば、ANAマイレージクラブの場合、マイルの有効期限は最後の加算・利用から36ヶ月です。一方、JALマイレージバンクでは有効期限が最長3年間となっています。
MRポイント自体は基本的に有効期限がないため、急いでマイルに移行する必要はありません。むしろ、実際に使用する予定が立つまではMRポイントのままキープしておき、必要になったタイミングで移行するほうが柔軟性を保てます。
航空会社のマイルプログラム改定前に移行を検討
航空会社はマイルプログラムの改定を行うことがあります。多くの場合、改定はマイルの価値を下げる方向で行われます。例えば、特典航空券に必要なマイル数の引き上げや、特典の内容変更などです。
そのため、大きなプログラム改定が予告されている場合は、改定前にポイントを移行するかどうかを検討する必要があります。改定内容をよく確認し、不利な変更であれば改定前に移行するのも一つの戦略です。
無駄なく得するマイル移行のコツ
移行レートを把握しておく
アメックスから各航空会社へのポイント移行レートは一律ではありません。主要な移行先の一般的なレートは以下の通りです:
これらのレートを把握したうえで、自分にとって最も価値の高い移行先を選びましょう。
最低移行単位を考慮する
ポイントをマイルに移行する際は、最低移行単位があります。例えば、ANAマイレージクラブへの移行は1,000ポイント単位、JALマイレージバンクへの移行も1,000ポイント単位となっています。そのため、例えば1,500ポイントある場合は、1,000ポイントのみ移行可能で、残りの500ポイントはそのままMRポイントとして保持されます。
計画的にポイントを貯めて、無駄なく移行できるようにしましょう。
複数の移行先を活用する
アメックスのポイントは複数の航空会社やホテルプログラムに移行できるメリットがあります。例えば、国内線にはANAマイル、国際線にはデルタスカイマイルというように、用途に応じて使い分けることで効率よくポイントを活用できます。
また、航空会社同士の提携関係を活用することで、さらに効率的にポイントを使うことができます。例えば、ANAはスターアライアンスのメンバーなので、ANAマイルでユナイテッド航空やルフトハンザ航空などの特典航空券も予約可能です。
マイルの価値を理解する
マイルの価値は航空会社や路線、時期によって大きく異なります。一般的に、ビジネスクラスや国際線の特典航空券に使用する場合に高い価値を発揮します。
例えば、東京ーニューヨーク間のビジネスクラス往復特典航空券は、ANAで約10万マイル程度必要です。これを現金で購入すると40〜60万円程度かかるため、1マイルあたり4〜6円の価値があると計算できます。一方、国内線のエコノミークラスに使用すると、1マイルあたりの価値は1〜2円程度になることが多いです。
このようなマイルの価値を理解し、より価値の高い使い方を選ぶことで、アメックスポイントの価値を最大化できます。
ポイント移行のタイムラグに注意
アメックスからマイルへの移行には、通常数日程度のタイムラグがあります。例えば、ANAマイレージクラブへの移行は通常2〜3営業日、JALマイレージバンクへの移行は3〜7営業日程度かかります。
特典航空券の予約を検討している場合は、このタイムラグを考慮して早めに移行手続きを行いましょう。特に人気路線や繁忙期の特典航空券は、空席がすぐに埋まってしまうことがあります。
アメックスのマイル移行手順
なお、初めてポイントを移行する場合は、事前に移行先のマイレージプログラムに会員登録しておく必要があります。また、アメックスのアカウントと移行先のアカウントの名義は同一である必要があります。
ポイント移行以外のMRポイントの活用法
アメックスのMRポイントは、マイルへの移行以外にも様々な使い道があります。状況によっては、これらの活用法のほうが価値が高いケースもあるので、選択肢として知っておくと良いでしょう。
アメックスのトラベルサービスでの支払い
アメックスのトラベルサービスで航空券やホテル、ツアーなどを予約する際に、MRポイントを1ポイント=1円として支払いに充当できます。キャンペーン時には還元率がアップすることもあります。
アマゾンやメルカリでの支払い
アマゾンやメルカリといったオンラインショッピングサイトでの支払いに、MRポイントを利用することも可能です。通常、1ポイント=1円として利用できます。
商品券やギフトカードへの交換
MRポイントを各種商品券やギフトカードに交換することも可能です。ただし、交換レートは商品券の種類によって異なり、1ポイント=0.5円〜1円程度となることが多いようです。
キャッシュバック
MRポイントをキャッシュバックとして受け取ることも可能です。通常、1ポイント=0.5円のレートでカード利用代金から差し引かれます。
一般的に、マイルへの移行が最も価値が高いとされていますが、特典航空券を利用する予定がない場合やマイルが余っている場合は、これらの代替手段も検討する価値があります。
アメックスカード別のマイル還元率比較
アメックスでは複数のカードを展開しており、カードによってポイント還元率やマイルへの移行レートが異なります。主要なカードの還元率を比較してみましょう。
一般的に、年会費が高いカードほど付帯サービスが充実していますが、マイル還元率だけで見れば、ゴールドカード以上は同じ1%となっています。自分のライフスタイルや利用頻度に合わせて、最適なカードを選ぶことが重要です。
マイル移行に関するよくある質問
残念ながら、一度マイルに移行したポイントをMRポイントに戻すことはできません。そのため、実際に使用する予定がある分だけを移行することをおすすめします。
移行先によって異なりますが、ANAマイレージクラブへの移行は通常2〜3営業日、JALマイレージバンクへの移行は3〜7営業日程度かかります。デルタスカイマイルズなど海外のプログラムへの移行は、1週間程度かかることもあります。
基本的に、アメックスのMRポイントに有効期限はありません。ただし、カードを解約すると、そのカードで貯めたポイントは失効してしまうため注意が必要です。また、一部のキャンペーンで獲得したポイントには有効期限が設定されている場合があります。
はい、家族カードで貯めたポイントは本会員のポイントと合算され、本会員がマイルに移行することができます。ただし、家族会員自身がポイントを移行することはできません。
アメックスの法人カードでも、基本的にはMRポイントをマイルに移行できます。ただし、一部のコーポレートカードでは移行できない場合もあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
まとめ:アメックスのマイルを賢く活用しよう
アメックスのポイントをマイルに移行する際は、以下のポイントを押さえておくと無駄なく効率的に活用できます。
アメックスのポイントは貯めるのも使うのも柔軟性が高いため、自分のライフスタイルや目的に合わせた活用方法を見つけることが大切です。マイルを貯めて、思い出に残る旅行やビジネスの効率化に役立ててみてはいかがでしょうか。賢くポイントを活用すれば、年会費以上の価値を得ることも十分可能です。