アメリカン・エキスプレス(アメックス)のクレジットカードを利用していると自然と貯まるメンバーシップ・リワードのポイント。このポイントを最も価値高く活用する方法として注目されているのが「マイル」への交換です。特に2025年現在、アメックスポイントをマイルに変換する方法は複数存在し、その中でも最も効率的で即効性の高いルートを知っておくことで、あなたの旅行体験を大幅に向上させることができます。
この記事では、アメックスポイントを即効でマイルに変えるための最短ルートを、最新の情報と実践的なステップに基づいて詳しく解説します。ポイントをいかに効率的にマイルに変え、そのマイルでどのような特典を得られるのか、すべてを網羅的に解説していきます。
アメックスポイントの基本と価値を理解する
まず、アメックスポイントの正式名称は「メンバーシップ・リワード」です。アメックスのクレジットカードを使って買い物をすると、基本的に100円につき1ポイントが貯まります。この還元率はカードの種類やキャンペーンによって変動することもありますが、基本的には1%の還元率と考えておけば間違いありません。
特筆すべきは、アメックスポイントの柔軟性です。現金や商品券への交換はもちろん、様々な航空会社のマイルへの交換が可能です。2025年現在、アメックスポイントは15以上の航空会社のマイルプログラムと提携しており、その中でも特にお得な交換先がANAマイルとなっています。
アメックスポイントの有効期限は、通常は最後のポイント獲得・利用から2年間とされていますが、後述する「メンバーシップ・リワード・プラス」に登録すると無期限になります。このため、長期的な旅行計画のためにポイントを貯めておくことも可能です。
アメックスポイントをマイルに変える最短ルート:ANAマイルへの交換
アメックスポイントを最も効率よくマイルに変える最短ルートは、ANAマイルへの交換です。ANAマイルは年間参加費5,500円(税込)の「メンバーシップ・リワード ANAコース」に加入することで、1,000ポイント=1,000マイルという高いレートで交換が可能になります。この交換レートは他の航空会社と比較しても非常に有利です。
例えば、JALマイルへの交換レートは通常3,000ポイント=1,000マイルであり、他の提携航空会社でも一般的に2,000ポイント=1,000マイルの交換レートとなっています。つまり、ANAマイルへの交換は他の航空会社のマイルと比較して2〜3倍の価値があると言えるでしょう。
ANAマイルへの交換手順
1. アメックスの会員専用サイトにログインする
2. 「ポイントを使う」からマイル交換のページに進む
3. 「ANAマイレージクラブ」を選択
4. 初回の場合は「メンバーシップ・リワード ANAコース」への登録を行う(年間参加費5,500円(税込))
5. 交換するポイント数を入力して申し込む
6. 通常5営業日以内にANAマイレージクラブの口座にマイルが反映される
注意点:ANAマイルへの交換には年間の上限があり、メンバーシップ・リワード・プラスに未登録の場合は80,000ポイント(=40,000マイル)まで、登録済みの場合は40,000ポイント(=40,000マイル)までと定められています。年間40,000マイルを超える必要がある場合は、次に紹介する代替ルートも検討する必要があります。
メンバーシップ・リワード・プラスの重要性
ANAマイルへの交換を検討している方にとって、「メンバーシップ・リワード・プラス」への登録は非常に重要です。このプログラムに登録すると、ポイントの有効期限が無期限になるだけでなく、ボーナスポイントを獲得しやすくなり、ポイントの交換レートもアップします。
メンバーシップ・リワード・プラスの年間参加費は3,300円(税込)ですが、アメックスゴールド・プリファード・カードを持っている場合は無料で自動付帯されるメリットがあります。この特典だけでも、頻繁にマイルに交換する予定がある方にとっては、アメックスゴールド・プリファードの年会費の一部を相殺できる価値があります。
メンバーシップ・リワード・プラスのメリット
1. ポイントの有効期限が無期限になる
2. ANAマイルへの交換レートが向上(2,000ポイント→1,000マイルから1,000ポイント→1,000マイルへ)
3. ボーナスポイントプログラムへの無料登録(対象加盟店でのポイント3倍など)
4. 他の提携航空会社へのポイント交換レートも向上
ANAマイルの上限を超えた場合の代替ルート:ANA SKY コイン
年間のANAマイル交換上限(40,000マイル)を超えて交換したい場合や、特典航空券ではなく通常の航空券を購入したい場合の代替ルートとして、「ANA SKY コイン」への交換があります。
ANA SKY コインは、ANAのWebサイトで航空券・旅行商品の支払いに10コイン単位(10円分相当)で利用できる電子クーポンで、1コイン1円の価値があります。ANAマイルとは異なり、メンバーシップ・リワード・プラスに加入していると、1ポイント=1コインという高レートで交換が可能で、交換上限もありません。
ANA SKY コインの交換手順
1. アメックスの会員専用サイトにログインする
2. 「ポイントを使う」から「ANA SKY コイン」を選択
3. 交換するポイント数を入力して申し込む
4. 登録メールアドレスにコイン交換URLが送られてくる
5. メールのURLをクリックするとANAのサイトが開く
6. ANAマイレージプログラムにログインして「受け取る」をクリック
メリット
・特典航空券の空席状況に左右されない
・ANA SKY コインで購入した航空券でも通常通りフライトマイルが貯まる
・交換上限がない
デメリット
・ANA SKY コインの有効期限は交換月から12カ月目の末日まで
・ANAの航空券や旅行商品にしか使えない
JALマイルへの交換:注意点と活用法
アメックスポイントはJALマイルにも交換可能ですが、交換レートは他社と比較して不利です。JALマイルへの交換レートは「3000ポイント⇒1000マイル」で、メンバーシップ・リワード・プラスに登録しても「2500ポイント⇒1000マイル」とANAマイルほどお得ではありません。
しかし、JALマイルへの交換にも独自のメリットがあります。JALマイルは年間の交換上限がないため、大量のポイントを一度に交換したい場合にはANAマイルよりも柔軟に対応できます。
JALマイルが有利になるケース
1. JALの特定路線を利用する予定がある場合
2. ワンワールドアライアンス加盟航空会社(ブリティッシュエアウェイズ、キャセイパシフィック航空など)を利用する予定がある場合
3. 年間40,000マイル以上をマイルに交換する必要がある場合
4. JALの上級会員資格(JGC等)の取得を目指している場合
交換レートの不利を補うためには、JALのサイトでの航空券購入時にアメックスを利用することでボーナスポイントを獲得するなどの工夫が必要です。
その他の提携航空会社マイルへの交換
アメックスポイントは、ANAやJAL以外にも多くの海外航空会社のマイルに交換可能です。2025年現在、以下のような航空会社のマイルに交換できます:
・エミレーツ航空(エミレーツ・スカイワーズ)
・エティハド航空(エティハド ゲスト)
・シンガポール航空(KrisFlyer)
・大韓航空(SKYPASS)
・デルタ航空(SkyMiles)
・ブリティッシュエアウェイズ(エグゼクティブクラブ)
・ユナイテッド航空(MileagePlus)など
これらの航空会社へのポイント交換レートは一般的に2,000ポイント=1,000マイルとなっていますが、メンバーシップ・リワード・プラスに登録すると1,250ポイント=1,000マイルに向上します。
海外航空会社のマイルが有利になる場合
1. 特定の路線でANAやJALよりも少ないマイル数で特典航空券が取れる場合
2. 燃油サーチャージが安い、または不要な航空会社のマイルを利用する場合
3. マイルの有効期限が長い、または無期限の航空会社を利用する場合
4. 二親等以外の航空券を取りたい場合(一部の海外航空会社では可能)
マリオットボンヴォイポイント経由でのマイル交換
もう一つの代替ルートとして、マリオットボンヴォイポイントを経由したマイル交換があります。マリオットボンヴォイアメックスカードを保有している場合、このルートが有効になります。
マリオットポイントは40以上の航空会社のマイルに交換可能で、60,000ポイントを交換すると5,000マイルのボーナスがもらえます。つまり、60,000マリオットポイントで25,000マイルが獲得できる計算になります。
この方法のメリットは、ANAやJAL以外にも多様な航空会社のマイルに交換できる点です。世界各国の航空会社のマイルに交換できるため、旅行先に応じて最適な航空会社を選ぶことができます。
ただし、マリオットポイントには有効期限(24ヶ月間ポイントの動きがないと失効)があるため、定期的に利用または交換する必要があります。
電子マネーやポイントへの二次交換
ANAマイルに交換した後、さらに電子マネーや他社ポイントに交換するという「二次交換」も一つの活用法です。貯めたANAマイルは、楽天Edyなどの電子マネーに10,000マイル=10,000円分で交換できます。航空機を頻繁に利用しない人でも、マイルが無駄になりにくいのが特徴です。
特に効率的なのが、アメックスポイント→ANAマイル→楽天ポイントへの交換ルートです。ANAマイルから楽天ポイントへの交換レートは10,000マイル=8,000楽天ポイントなので、1,000ポイント=1,000マイルで交換できるANAマイルを経由した方が、ポイントの損失が少なくなります。
ただし、ANAマイルから楽天ポイントへの交換には7~10日かかる点に注意が必要です。急いでポイントが必要な場合には向いていません。
最も効率的なカード選び:どのアメックスカードがマイル交換に最適か
アメックスポイントをマイルに交換する際、どのアメックスカードを選ぶべきかも重要なポイントです。主要なアメックスカードを比較すると以下のようになります:
ANAアメックスカード
年会費:7,700円(税込)
特徴:貯まったポイントをマイルに移行するには「ポイント移行コース」の登録が必要(年間参加費6,600円(税込))
メリット:ANAカードマイルプラス加盟店での利用で追加マイルが貯まる
デメリット:ANAマイル以外に交換できない
年会費:13,200円(税込)
特徴:基本的なアメックスの特典が利用可能
メリット:複数の航空会社マイルに交換可能
デメリット:ANAマイルへの交換には別途「メンバーシップ・リワード ANAコース」への登録が必要(年間参加費5,500円(税込))
アメックスゴールド・プリファード・カード
年会費:39,600円(税込)
特徴:メンバーシップ・リワード・プラスが無料で自動付帯され、ポイントの有効期限がなくなる
メリット:15の航空会社にマイル交換が可能で、交換先の選択肢が広い
デメリット:ANAマイルへの交換には別途「メンバーシップ・リワード ANAコース」への登録が必要(年間参加費5,500円(税込))
アメックスプラチナカード
年会費:143,000円(税込)
特徴:ANAマイルの移行にかかる年間参加費が無料
メリット:高い還元率と豊富な特典
デメリット:高額な年会費
マリオットボンヴォイアメックス
年会費:49,500円(税込)
特徴:マリオットホテルでの宿泊でポイントが貯まりやすい
メリット:40以上の航空会社のマイルに交換可能
デメリット:マリオットポイントには有効期限がある
マイル交換効率を重視する場合、アメックスゴールド・プリファードかプラチナカードがおすすめです。特にプラチナカードは、ANAマイルの移行にかかる年間参加費が無料になるため、頻繁にANAマイルに交換する予定がある場合には効率的です。
一方、年会費を抑えつつANAマイルを貯めたい場合は、ANAアメックスカードが最適です。ただし、ポイント移行コースの登録が必須なので、実質的な年間コストは14,300円(カード年会費+ポイント移行コース参加費)となります。
マイル交換の戦略的タイミング
交換を検討すべきタイミング
1. 特典航空券を予約したい具体的な旅行計画がある場合
2. ポイント・マイル交換のボーナスキャンペーンが実施されている場合
3. ANAマイルの年間交換上限(40,000マイル)に余裕がある場合
4. マイルの有効期限が近づいている場合(ANAマイルは36ヶ月間の有効期限あり)
交換を延期すべきタイミング
1. 具体的な旅行計画がまだない場合(アメックスポイントの方が用途が広い)
2. すでにその年のANAマイル交換上限に達している場合
3. より有利な交換キャンペーンの開催が予想される場合
4. マイルの交換レートが改悪される前に大量に交換する場合
実際の手順:ステップバイステップでのマイル交換ガイド
ここからは、アメックスポイントをANAマイルに交換する具体的な手順を解説します:
ANAマイルへの交換手順
1. アメックス会員専用サイトにログインする
2. 「ポイントを使う」→「マイル・ポイントに交換する」を選択
3. 「ANAマイレージクラブ」を選択
4. 初回の場合は「メンバーシップ・リワード ANAコース」に登録する
5. ANAマイレージクラブ会員番号を入力する(初回のみ)
6. 交換するポイント数を入力する
7. 申し込み内容を確認して完了する
8. 通常5営業日以内にANAマイレージクラブ口座にマイルが反映される
ANA SKY コインへの交換手順
1. アメックス会員専用サイトにログインする
2. 「ポイントを使う」→「マイル・ポイントに交換する」を選択
3. 「ANA SKY コイン」を選択
4. 交換するポイント数を入力する
5. 申し込み内容を確認して完了する
6. 登録メールアドレスにコイン交換URLが送られてくる
7. メールのURLをクリックするとANAのサイトが開く
8. ANAマイレージプログラムにログインして「受け取る」をクリック
9. 即時にANA SKY コインが反映される
よくある質問と回答
ANAマイルの年間交換上限(40,000マイル)を超えて交換するにはどうすればよいですか?
年間上限を超えてマイルに交換したい場合は、以下の方法があります:
- ANA SKY コインに交換する(上限なし)
- JALマイルに交換する(年間上限なし)
- 海外航空会社のマイルに交換する
- 次年度まで待ってから交換する
アメックスポイントの有効期限はどのくらいですか?
通常は最後のポイント獲得・利用から2年間ですが、メンバーシップ・リワード・プラス(年間3,300円(税込))に登録すると無期限になります。また、アメックスゴールド・プリファードカードなどの上位カードでは、メンバーシップ・リワード・プラスが自動付帯されます。
ANAマイルとJALマイルはどちらがお得ですか?
交換レートだけを見るとANAマイルの方がお得です(1,000ポイント=1,000マイル vs JALの2,500ポイント=1,000マイル)。ただし、ANAマイルには年間交換上限があるのに対し、JALマイルには上限がないため、状況によって使い分けることをおすすめします。
ANA SKY コインとANAマイルはどう違いますか?
ANAマイルは特典航空券や特典アップグレードに使え、ANA SKY コインはANAの国内線・国際線航空券や旅行商品の支払いに使える電子クーポンです。ANA SKY コインは1コイン=1円として利用でき、10コイン(10円)単位から使用可能です。
外国航空会社のマイルに交換するメリットはありますか?
特定の路線ではANAやJALよりも少ないマイル数で特典航空券が取れる場合があります。また、燃油サーチャージが安い、または不要な航空会社もあります。さらに、マイルの有効期限が長い、または無期限の航空会社も多いため、長期的な旅行計画がある場合に有利です。
メンバーシップ・リワード・プラスは必要ですか?
マイル交換を頻繁に行う予定がある場合は、メンバーシップ・リワード・プラスへの登録をおすすめします。ポイントの有効期限が無期限になるほか、ANAマイルへの交換レートが2倍になるなど、多くのメリットがあります。年間3,300円(税込)の参加費に見合う価値があると言えるでしょう。
まとめ:アメックスポイントをマイルに変える最適な戦略
アメックスポイントをマイルに変える最短ルートをまとめると、以下のようになります:
1. ANAマイルへの直接交換が最もレートが高く、効率的(1,000ポイント=1,000マイル)
2. 年間40,000マイル以上交換したい場合は、ANA SKY コインへの交換が有効
3. JALマイルへの交換はレートは低いが、年間上限がないメリットがある
4. 外国航空会社のマイルは、特定のルートや特典で有利になる場合がある
5. マリオットボンヴォイポイント経由での交換も、選択肢の幅を広げる
最適なアメックスカードとしては、メンバーシップ・リワード・プラスが自動付帯されるアメックスゴールド・プリファードか、ANAマイル交換手数料が無料になるプラチナカードがおすすめです。ただし、利用頻度やマイルの使途によって、最適なカードは変わってきます。
アメックスポイントのマイル交換は、旅行体験を大幅に向上させる可能性を秘めています。この記事で紹介した最短ルートを活用して、効率的にマイルを貯め、素晴らしい旅行体験を手に入れてください。ANAマイルやANA SKY コインを上手に活用すれば、ビジネスクラスや国際線の特典航空券も夢ではありません。
2025年現在、アメックスポイントの価値を最大化する方法として、マイルへの交換は非常に魅力的なオプションです。あなたの旅行スタイルに合わせて、最適なポイント運用戦略を立てていきましょう。